"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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平和憲法を守り、いま自分のできることから

中野

 この夏、広島・長崎では58回目の「原爆の日」を迎えました。今年の広島市長、長崎市長の平和宣言、そして子ども代表平和の誓いは、例年にもまして深い危機感の感じられるものでした。

 広島の秋葉市長は、アメリカの核戦略を痛烈に批判しました。そして、核不拡散条約体制が崩壊の危機に瀕していることを訴えました。戦争はいかなる理由があっても、それによって平和になるとか、そのことが正義であるということは絶対にありません。今までの歴史、そして現在のイラク戦争が証明しています。

 この間、私たちの国は、国際連合憲章に明白に違反するアメリカのイラク戦争に賛同し、イラクに自衛隊を送ろうとしています。今なお「全土が戦闘状態」であるイラク本土に派遣しようとしているのです。忘れてしまったのでしょうか。「平和憲法のもとに過ちを二度と繰り返さない」と約束したことを。

 平和憲法ばかりではなく、誰もが幸せに暮らしていける権利までが奪われてしまっています。社会保障、人権・雇用の問題の中で、さまざまな憲法違反がされていても、国民はちっとも怒りません。このままでは、遅かれ早かれ、日本は憲法の改正に着手するでしょう。58年前の戦争を許してしまう状況を作り出してはなりません。平和を願う人たちがないがしろにされる社会をつくってはなりません。「こんなことぐらいいいや」「自分には関係ないわ」と、今までいろいろな場所でいろいろなことを許してきてはいないでしょうか。世界が右傾化している現代において、一人ひとりが日常的にこだわりを持ち続けていかなければ、そして、声をあげ、どんな形ででも行動していかなければ、大変な世の中になっていくことは明らかです。

 私たちは、大人の責任として平和を破壊する者に対し、断固拒否をしていかなければなりません。平和でなければ何をすることもできないのです。世界の情勢が変化し、それに対応していかなければ日本は沈没する、というようなことを政治家は何かというと口にします。こちらが攻撃的になったり、威圧したりせず、武器でない方法で戦争をやめようという動きが世界中に出てきている時に、なぜ日本は昔に戻ってしまうのか。国民の命がモノでしかなかった時代に逆戻りすることのないよう、私たち主権者がしっかりとした意思を持つ時だと思います。強い者だけが生き残る社会はごめんです。

 毎年、絵画展のアンケートに「ずっと続けてやってほしい」と書いてあります。今年で11回目を迎える絵画展ですが、ずっと続けていくように・・・、みんなの思いが一つになるように・・・。