"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
原爆ドームイラスト ホーム  > 2000年 第8回原爆絵画展報告集目次  > アピール(第8回原爆絵画展を終えて)

アピール(第8回原爆絵画展を終えて)

原爆絵画展西部実行委員会代表 川崎正司

絵画展展示の様子
絵画展展示の様子

 人が人に対して絶対にしてはならない原爆投下の55年目の記念日が今年も巡ってきました。当地での原爆絵画展も、多くの方々に支えられ、第8回を迎えることができました。主催者として、心よりお礼申し上げます。

 「平和」は、掛け替えのない大切なものであることは、自明の理です。しかし、現実には世界各地で戦争が起き、原爆についても、2年前の5月に、インドとパキスタンの核実験が、そして、最近では、アメリカの臨界前核実験が10回以上にわたり行われています。

 原爆の洗礼を受け、ポツダム宣言を受諾し、無条件降伏で終戦を迎えた日本は、平和と民主主義、基本的人権の尊重を中心に据えた新憲法、特に、第9条の「戦争の放棄」を掲げ、新たな誓いのもとに戦後を出発したのでした。  しかし、最近では、この憲法を時流に合わないから改正せよという動きが急速に高まってきています。

 原爆について、「世界唯一の被爆国」の立場から核廃絶を訴えると、被害者意識が強すぎるという反論もあるとか…、果たしてそうでしょうか。立場をかえて、あの惨状を受けたとしたらどうでしょうか。  戦争そのものが、悪魔性をもつものである以上、被害も加害も紙一重の差の中で起こされると思うのです。原爆投下が人道上許されるものでないことを訴え続けましょう。

 原爆絵画展西部実行委員会は小さな組織です。今年2月から7回の実行委員会を開き、この日を迎えました。素人同志が知恵と力を出し合った手づくりの絵画展です。  平和をつくり出すという運動は、一筋縄でいくものではないと思います。ユネスコ憲章の冒頭の「戦争は心の中で生まれるものであるから、人の心に 平和の砦 を築かなければならない」という宣言に沿って、一人でも多くの人達の心に、核廃絶と恒久の平和を訴えていきたいと思います。

 今年の企画は、原爆絵画の展示のほかに、絵画展の趣旨に沿った原爆以外の展示、そして、特別企画の催し物を行い、絵画展に彩と幅を加えました。  皆様から寄せられたアンケートのご意見等を生かしてこの企画を続けていきます。変わらぬご支援をお願いいたします。

 坂戸市では、1986年9月1日付けで「坂戸市平和都市宣言」を制定致しました。市の広報紙に折々掲載されていますので、市民の皆様はぜひ目に止めて、平和の心を広げる糧にしてください。

 8月6日には、伊利坂戸市長さんが、ご多忙の中、足を運ばれて親しく展示物を見てくださいました。また、それぞれの展示物の担当者の説明にも、気さくに耳を傾けられ、市民とのふれあい・対話を重視する姿は、私達実行委員の大きなはげましとなりました。

 近隣の市町村におかれましては、後援等を快諾下され感謝申し上げます。今後とも、変わらぬご指導とお力添えをよろしくお願い申し上げます。

 暑い夏がようやく終わりに近づきました。実行委員一同、今年の企画を反省し、次年度に向けて新しい気持ちでスタートすることをお誓いし、報告といたします。