"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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原発と原爆、原発事故と戦争

実行委員会事務局 武井 誠

 「今回の原爆絵画展では、震災と原発事故写真の併設展示、そして、原発事故で、福島県から自主的に母子避難をされてきたTさんのお話を聴く時間を企画しました。

 なぜ、原発事故のことを取り上げたか。それは、原爆と原発、原発事故と戦争が、よく似ていると考えるからです。

 放射能の恐ろしさ、長く続く被爆の影響と不安については、いうまでもありません。
 加えて、真実が隠され、情報が操作され、気がついた時には、引き返すことのできない、反対のできない、声をあげられないところにまで、私たちが追い込まれてしまっている、ここに戦争と原発事故の危険な共通性を指摘せざるを得ません。
 そういう意味では、特に、つらい記憶を、しかし私たちが知らなければならない大切な事実をお話ししてくださったTさんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。」

 特別企画の閉会あいさつで、私は、このようなことを述べさせていただきました。私たちは、Tさんの訴えに応えていく責任があると思います。
 「まさに『怒り地蔵』ですねえ。」今年も、渾身の平和紙芝居を上演してくださった松岡武司さんが、つぶやいておられました。同感です。
 「日本の人たちは、もっと怒っていいはずです。」これは、原水禁長崎大会におけるアメリカン大学ピーター・カズニックさんの発言です。

 戦後の平和運動の特徴について「怒りのヒロシマ、祈りのナガサキ」と言いあらわされることがありました。今年の両市長の平和宣言では、これが逆転していたように感じましたが、それはともかく、ここに「沈黙のフクシマ」というフレーズを加える人がいます。理由は、真実を訴える声、怒りの声が福島県で大きくならないからです。もし、そうだとすれば、なぜ福島の人たちは沈黙を強いられているのか、そこをこそ私たちは、明らかにしなければならないのではないでしょうか。