"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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アピール(フクシマが加わってしまった)

武井誠

フクシマ放射能汚染
  フクシマ放射能汚染

 ヒロシマ、ナガサキとカタカナで書くことが多いのは、単に日本の地名であるだけでなく、全世界の人々が核の問題を考えるときに注目する、あるいは注目してほしい場所であるからです。その中に「フクシマ」が加わってしまいました。

 「核も戦争もない世界を!」という気持ちで原爆絵画展に取り組んできましたが、福島第一原子力発電所の事故を、止めることができませんでした。もちろん、原子力発電所の危険性は学習し、止めなければならないと思ってはいました。しかし、心のどこかに、じっくり取り組む時間的ゆとりがあるという油断がありました。痛恨の極みです。

 今年の絵画展で、私たちはチェルノブイリの写真、そして東日本大震災、とりわけ福島第一原子力発電所事故の写真を展示しました。事実を展示し、評価は参観された人にゆだねるという、今までの絵画展の「枠」を踏襲しました。しかし、私はさらに踏み込んで、誰がこの事態を招いたのかをはっきり示し、糾弾し、責任を追及したい気持ちでいっぱいでした。

 原爆は、落とす人がいたから落ちてきたのです。
 原発も、強引に推進した人たちがいたから事故が起きたのです。
 天災ではありません。人災です。

 そして、その人たちは未だ悔い改めず、性懲りもなく、宣伝や情報操作で私たちの感性を眠らせ、核兵器を拡散し続け、原発再稼働をもくろんでいます。許せないことです。

 事実を知れば、核兵器はいやだ、放射能はこわい、とすべての人が感じます。しかしそこはゴールではなく、出発点です。

 私たちは、それがなぜなくならないのか考え、行動しなければなりません。私たちの子ども、孫たちの未来を奪わないために。

 もし、間に合うのならば・・・・。