"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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アピール(第15回原爆絵画展を終えて)

原爆絵画展坂戸・鶴ヶ島地区実行委員 武井誠

平和紙芝居
「平和紙芝居」を演ずる松岡武司さん

 被爆62年を迎えた今年も、この地域で第15回原爆絵画展を開催することができました。実行委員のみなさん、お疲れさまでした。賛助金をお寄せくださったみなさん、特別企画に協力してくださったみなさん、そして250人を越える来場者のみなさん、本当にありがとうございました。

今年度の特徴を、いくつか挙げさせていただきます。

 7月16日、新潟で大きな地震が起こり、柏崎刈羽原子力発電所で火災が発生。また、放射能を帯びた水が漏れたり、放射性廃棄物が倒れたりする事故が起こりました。原子力発電所の危険性を、改めて実感させられるおそろしい出来事でした。「核と人類は共存できるのか?」まずは事実に学ぼうということで、インターネットや新聞記事の切り抜きを掲示しました。

 たくさんの若い人たちが、とりくみの輪に加わってくれたことも、特筆すべきことでした。実行委員はもちろんのこと、アウシュビッツ訪問の報告をしてくれた武井芙由子さん、ヒロシマにまなぶ埼玉子ども代表団員。私たちは「ここに希望がある」と感じました。迫真の朗読「平和紙芝居」で戦争、原爆投下の実態を語り続けてくださる松岡さんとその世代の実行委員、「つなぐ」世代の私たち、そして子ども・青年、みんなの協力が絵画展成功の大きな力となりました。

 マスコミも注目。この絵画展の記事が、埼玉新聞や、あさひかわら版に掲載されました。原爆被害の実態をよく知っているはずである長崎出身の防衛大臣でさえ「原爆投下はしょうがなかった」と発言する社会情勢であるからこそ、原爆や戦争の記憶を風化させてはならない、という思いもまた、多くの人に共通のものとなっているのでしょうか。そうであってほしいと願わずにはいられません。

 子ども代表団は、「主張し、発信することの大切さ」を語りました。同感です。来年度も原爆絵画展を継続し、さらに多くの方においでいただけるよう、力を尽くしたいと思います。

8月の青空に 今もこだまするのは
  若き詩人の叫び 遠き被爆者の声
あなたに感じますか 手のひらのぬくもりが
  人の悔し涙が 生き続ける苦しみが
私の国と かの国の 人の命は同じ
  この青い 大地の上に 同じ生を得たのに
ヒロシマのある国で しなければならないことは
  ともる戦(いくさ)の火種を 消すことだろう
(「ヒロシマのある国で」より)