"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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朗読 「時のかたみに〜『ナガサキ』被爆の記録」
朗読 劇団 俳優座 高山真樹

俳優座 高山真樹さんの朗読を聴いての感想をまとめました。(文責 成田美智子)

長崎市・平和の像
長崎市・平和の像

 8月8日(日)14時から劇団俳優座の女優、高山真樹さんによる「時のかたみに〜女子学生の長崎原爆の記録」の朗読がありました。この本を編集、発行された中野道子さんも東京からこの会場に来て下さって、私たちと一緒に高山真樹さんの朗読をお聞きになり、その後、お二人で握手を交わされるというなごやかな光景がありました。

 高山真樹さんは、これまで核の恐ろしさを訴えたレイモンド・ブリッグス(スノーマンの作者)の絵本、『風がふくとき』を舞台劇『地球発−SOS−ジムとヒルダの物語』として企画・制作・主演されてきました。ライフワークとしてこれからも取り組んでいく予定とのことですが、今夏は、翌8月9日から俳優座で、朗読劇『戦争とは−』に出演され、「時のかたみに〜女子学生の長崎原爆の記録」を読まれます。

 「よろしかったら原爆絵画展で朗読いたしましょうか。」という嬉しい、有難いお申し出に、厚かましくも「是非是非お願いします」と。公演前のお忙しい中、お時間を割いてボランティアで来ていただいたのでした。真樹さんファンも大勢おいで下さり、会場に並べられた椅子が足りなくなって、立ったまま耳を傾けて下さる方々もあり、静かな室内に真樹さんの声が深く流れたように感じました。真樹さんありがとうございました。

 中野道子さんはこの本の中で、「長崎県諫早市(爆心地長崎から18キロの地)にいて、強烈な白光を見た・・・」と書いています。
「原爆を語り尽くすことはできない・・・」
「いかなる言葉も映像も、あの凄惨な現実とはるかにかけ離れたものでしかない・・・」という。
長崎に投下された原子爆弾、通称ファットマンは、プルトニウム爆弾で、核分裂によって発生するエネルギー、1115Cal/1平方センチメートルであり、約3000〜4000度という。爆心地から500メートル以内は殆んど100パーセントが即死という。

 大量・無差別、徹底的な破壊力と殺傷力によって人間の世界にあってはならない凄惨な地獄をもたらした、昭和20年8月9日。

 しかも、今日の核兵器は、広島・長崎の原爆に比べ、はるかに高性能で強力である。今世界にある核兵器は、50億の人類のすべてを何回にもわたって絶滅できるものであるという。

 何としても私たちは、戦争の被害者にも加害者にもなりたくない。そのためにいったい何をすればよいのだろう。皆で考え、実践できることは何なのだろう・・・。