"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
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鎌倉孝夫 埼玉大学名誉教授と語る会

 限られた時間でしたが、鎌倉先生を囲んで有意義な懇談のひとときを持つことができました。(手弁当でこういう企画に積極的に取り組み、参加してくださる鎌倉先生に心から敬意を表します。)

 はじめに参加者から「最近の政府や国会の動きに、非常に危険なものを感じる。どうなっているのか」「何か変だという声は高まっているのだがどうして結集できないのか」「地方自治をとびこえて、中央政府や自衛隊の指示が私たちのくらしを直接規制するようになってしまうのか」といった疑問、意見などが出され、それを受けて鎌倉先生の解説がありました。(用意されたレジメのタイトルは「今年の絵画展には特別な意味がある」)

長引く不況、国家総動員法、日の丸・君が代による「『ハード』な統合」など、戦前の状況と今の状況が似通っている。

日本だけの問題でなく、背後にあるアメリカや多国籍企業の世界戦略を見落としてはならない。

「日の丸・君が代」推進派が語る「日本の文化・伝統」というのは、実は明治政府によって国民統合のために作られたたかだか100年余りの歴史しかもたないものである。私たちのアイデンティティはもっと深いところにある。

「日の丸・君が代」については、「賛成も反対もあっていい。しかし、慎重審議…」ではなく、憲法第9条の平和主義の原則や、第1章の天皇制について突っ込んだ議論を巻き起こすことが必要だったのではないか。

 紙面の都合で、詳しく紹介することができませんが、現在の日本の問題が歴史的な広がり、世界的な視野の中でかなり明らかにされました。

 再び参加者から、戦前の軍国主義教育の興味深い体験談や、「戦争」や「日の丸・君が代」「盗聴法」問題への具体的提言、危惧などが語られ、現状に対する危機感が共有されました。

 しかし、あせってばかりいては何も生まれない。例えば法案が通ってしまったからといってそれですべてが終わってしまうわけではない。智恵を絞って、できることを探し、あらゆる機会をとらえて粘り強く取り組み、危険な流れを止めるネットワークをつくっていくことが重要であると感じました。

(文責 武井誠)