"平和の原点"を見つめ、この地球から核と戦争をなくしましょう。
このサイトは、埼玉県坂戸市で毎年行われる「ヒロシマ市民の描いた原爆絵画展」の記録を掲載しています。
原爆ドームイラスト ホーム  > 1996年 第9回原爆絵画展報告集目次  > アピール(第4回原爆絵画展を終えて)

アピール(第4回原爆絵画展を終えて)

原爆絵画展西部実行委員代表 川崎正司

 戦後51年目の夏に、今年も4回目の原爆絵画展を行うことができました。2日間で約250名の入場者がありましたが、第2回絵画展の入場者数800名、第3回目の500名に比べると、やや、さみしい入場者数でした。

 実行委員会としては、「継続は力なり」を念頭におき努力してきたのですが、開催の日時をはじめ、実施までの取り組みの経過や絵画展の内容等について、さらに検討・反省を加え、第5回絵画展の実施に向け、力を注ぎたいと思います。ご協力頂いた大勢の皆様の声に耳を傾け、さらによいものを作り上げていきたいと考えています。

 昨年は戦後50年の節目の年に、日本の戦争責任、特に加害の面を含めてさまざまな論議がなされました。残念ながら、第2次大戦等に関する歴史的認識等のちがいなどから、国会決議も不十分な内容で決着をみたのでしたが、戦後50年は、戦争責任を含めて、平和を創生するために何が大切か、何をしなければならないかの課題を洗いざらい浮かび上がらせた感がありました。したがって戦後51年は、平和の創生に向けての新たな一歩をたどり始めた年だともいえましょう。そういう中での原爆絵画展という位置づけを大切にしていきたいと思います。平和を維持し、発展させるには、一人でも多くの人々の力の結集が必要となります。

 今年も多数の方々の感想文が寄せられましたが、年少者から高齢者に至るまで共通して言えることは、唯一の被爆国日本の受けた原爆の惨状を歴史の事実として風化させてはならない。そして、広島・長崎の心を国内はもとより世界に向けて、核廃絶の日まで訴え続けていこうという点にしぼられるようでした。

 日本は、戦争によって原爆の被害をはじめ数々の惨害を受けましたが、同時にこの戦争で日本が他国に与えた計り知れない加害の面も冷静に反省しつつ、両者はいずれも戦争という忌わしい事実の中から起こったことを肝に命じる必要があります。

 絵画展の実施にあたり、多数の方々から協賛金を頂き、また、近隣の各自治体から物心両面の多大なご後援を頂きましたことに、心からお礼申し上げます。実施にあたって数々の不安要素もありました。特に財政面においては、一定の見通しがつくようになりました。実行委員一同、本当にありがたく感謝の他ございません。今年は報告集が若干早めに出来上がりました。ご協力いただいたお礼のしるしに報告集をお届けいたします。今後とも変わらぬご理解とご支援をお願いいたします。また、みなさんの力で少しでも平和の輪が広がりますよう、友人・知人等に働き掛けて下さるようお願いいたします。