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発行に当たって

原爆絵画展坂戸・鶴ヶ島地区実行委員会代表 白石俊夫

 今年は戦後60年の節目の年。悲惨な戦争の教訓を後世に伝え、世界の恒久平和を願い、求め、実現していくことは私達の大きな責務です。今日の動向を見ると、自衛隊のイラクへの派遣、憲法9条の改正論議など、再び戦争の出来る国に進むのではないかと心配です。

 この節目の年にあたり、太平洋戦争で大変苦労され、悲惨な体験をされた方々の記憶を後世に語り継ぎ再び戦争を起こさないために、「私の戦争体験記」を募集したところ埼玉県内から40筆の体験記が寄せられました。寄せていただいた方の年齢は87歳から68歳までの貴重な体験記であります。

 いずれの方も悲惨で恐ろしい体験をしたなかから平和の大切さを訴えていることに感動します。例えば「戦争のない平和な里が理想郷であり、平和こそ次世代に引き継ぐ最高の贈り物である(83歳)」「多くの犠牲者の元に生かされている。戦争体験を語り継ぐのが使命。戦争は悲惨で絶対にしてはならないのです。68歳」など平和な社会が重要であることを訴えています。また、「弟や多くの戦友を戦死で失った。昔の思い出を記してみた。戦時中のことは忘れられない。87歳」など体験記応募の理由なども記されており、どなたの体験記も貴重なものであります。

 寄せられた貴重な体験記をまとめ小冊子として発行しました。実行委員会みんなで手づくりしたものです。多くの方に読んでいただき、日本の世界の平和に何が出来るかを考え、未来の平和な社会を築かれる糧になれば幸いです。

 戦争体験記募集にあたり、県内各地から多くの応募があったのは坂戸市行政やマスコミ各社の報道などのご協力があったためであります。ご協力に心より感謝申し上げます。

2005年8月6日